自分軸70%、他人軸30%が最強の理由
どちらかに傾きすぎると危険な理由
人は気づかないうちに、意識の向きがどちらかに偏りがちです。
他人に向きすぎることもあれば、自分に向きすぎることもあります。
意識が他人に向きすぎていると、どうしても「どう思われるか」「嫌われないか」「変に見られていないか」ばかりを考えるようになります。
その結果、本当は自分がどうしたいのか、何を感じているのかが後回しになり、気づけば自分の本音とはかけ離れた選択を重ねてしまいます。
周囲に合わせ続けているうちに、だんだんと自分の輪郭が曖昧になっていく感覚に陥ることもあります。
一方で、意識が自分に向きすぎている状態もまた、健全とは言えません。
自分の気持ちや都合ばかりを優先していると、他人の立場や感情を想像する力が弱くなります。
そもそも他人からどう見えているのか、社会の中で自分がどの位置にいるのかがわからなくなり、自己認識にズレが生じやすくなります。
その結果、自分の評価が実態以上に高くなったり、逆に現実とのズレに気づけず、間違った方向に進んでしまうこともあります。
ときには、そのズレが原因で人が離れていくこともあります。
若い頃は、どちらかに極端に振れていても、それほど問題にならないように感じることもあります。
むしろ「自分を貫くこと」が正解のように見えたり、「周りに合わせられる自分」が大人だと思えたりすることもあるでしょう。
けれど年齢を重ねるにつれて、どちらか一方に寄りすぎた生き方が、じわじわと苦しさを生むことに気づく瞬間が増えていきます。
他人軸に偏りすぎれば、常に人の顔色をうかがい、自分の人生を生きている感覚が薄れていきます。
自分軸に偏りすぎれば、周囲とのズレが大きくなり、本当の意味での自分自身も見失いやすくなります。
どちらも、長く続ければ続けるほど、生きづらさを強めてしまいます。
だからこそ大切なのは、どちらかに振り切ることではなく、その「あいだ」に立つことだと思います。
自分の気持ちや価値観を大切にしながらも、他人の視点や立場にも想像力を向けられること。
ぶれない自分軸を持ちつつ、同時に周囲とのバランスも取れることです。
この「バランス」を、あえて分かりやすく言語化するなら、
自分軸70%、他人軸30% です。
コーネル大学の研究によると、この自分軸70%、他人軸30%の割合が、もっとも現実的で生きやすい配分だといわれています。
自分の気持ちを7割大切にし、他人の気持ちを3割想像する。
振り切りすぎず、迎合しすぎないための、ひとつの目安です。
真ん中に立つというのは、優柔不断になることでも、どっちつかずになることでもありません。
「自分はこう思う」「でも相手はこう感じるかもしれない」と、
両方を一度テーブルに乗せたうえで選ぶことです。
その積み重ねが、自分を見失わず、人とも無理なく関われる在り方につながっていきます。
他人に寄りすぎず、自分に寄りすぎず。
そのあいだで揺れながら、自分なりのバランスを探し続けること自体が、
大人になるということなのかもしれません。


